三月八日到来
当二月十九日辰下刻、天満川崎町奉行組屋敷之内、四軒屋
敷 出火、西北之風ニ而、同所組屋敷不残焼失、夫天満
寺町同断、組屋敷出火、東西両組与力同心之内、北町同心拾
間程相残、其余不残焼亡、同所町家堀川東大半
焼失、午半刻頃、船場今橋筋、鴻池出火、北ハ北浜
限り、西ハ中橋筋東側不残、南者瓦屋町、夫上町ニ而ハ、
八軒屋通り大川限り、東ハ東町奉行裏、嶋町御代官地、
田岩之丞殿屋敷 、御弓町西側不残、谷町筋両側、内本
ハカ
町北側不残、内西町奉行計り残り、牢屋敷等不残焼
失、翌廿日夜亥之刻過、漸鎮火仕候、
十八日夜、跡郎氏役所泊り番与力、瀬田済之助、小泉渕次郎
口論、刃傷ニ及候ニ付、兼而十九日、跡郡氏同道、伊賀守殿組屋
敷順見被申出候処、右騒動ニ而延引ニ相成、未明ニ、与力同
心不残出勤候様被申付、暁天一統出勤留守中、四間屋
敷与力、大塩格之助父隠居大塩平八郎、当時剃髪致シ
候由、兼而賢者之名有之人物、去月中、当所困窮人へ
サウグ
多分之金子施行致シ、右金子ハ、兼而持来候書物雑具
等売払候由、儒学并釼鎗軍学等師範被致候、然ル処
去十九日未明、同志之弟子、并組内与力同心にも有之由、一統
申合、近在村々へ施行候間、十九日早天、大塩へ罷越候様、早触
右ニ付、百姓共多勢罷越候処、兼而相企候義有之趣申聞、
味方可致旨ニて、不承知之族ハ即刻打果、自分妻子是
又打果、隣家始川崎組屋敷与力同心宅毎ニ、矢砲碌炮碌
玉之類打込、天満寺町組屋敷同断、同所天満宮社近辺
弐ケ所打込、夫天神橋へ相掛り候処、当時火消人足
ヤク タヲ
役人村と申穢多是を見懸、右橋打倒し候ニ付、難波
橋打渡り、船場へ罷越、今橋筋鴻池、高麗橋岩城、
三ツ井呉服店、上ヱ町ニ而者、高麗橋筋両替町白粉屋、
等
谷町辺五六ヶ所火薬相用焼立、夫何方へ引取候哉、
風聞様々ニ御座候、右難波橋相渡候之砌、同橋南詰
俵物会所役人見及候処、丸ニ二ツ引、五三の桐の旗、大神
宮之幟押立、木筒鋳筒等、大筒四挺、地車ニ而運
送、其外俵物酒樽等有之、惣人数凡百人余、各鎗
長刀小筒持参、螺貝を吹、辻々ニ而、命惜候者ハ迯去
候様、大音ニ申、小筒少々打放し通行候ニ付、手負又者
打倒され候者夥敷御座候、
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