『浪華姦賊罪案』　その３８

史　料	釈　文	註
	渡候末、二月八日ニ相施し申候、難渋之者名々右之 施受申候故、諸人誠ニ当時之聖人之様ニ申居候、然ル 処当時御奉行跡部山城守様右様相施事ニ 候ハゝ、御役所江相答可到筈之処、一通身分にも 無之、殊ニ已前者公役も相勤、忰格之助出役之 事ニ候ハゝ猶更相断、施行可致筈之処、無其 儀我儘之取計不行届与申候御沙汰有之趣 相聞へ申候夫色々風説致し或者再勤相頼由 も申出候、何分にも近寄御奉行打取工と相見へ 申候、其上同役之類式者同心抔皆々味方ニ取入
	入申候、随身之者多く有之、近国近在百姓抔多く 一味之者有之、則十八日夜、泊り番ニ与力小泉 渕次郎御役所諸番ニ罷在候処、御奉行居間へ 忍込打取可申候手段承り、御近所大原一郎与 申御方、右小泉を打取申候、家中御役所大騒御座 候、翌十九日事相顕申候ニ付、右大塩平八郎自分之 家へ火を付、相図相定、一味之者も呼寄、鎧甲与 軍出立、鎧武者十四五人有之趣、噂仕候、尤飛道 具与申候台車に積、石火矢八丁是ニ仕掛有之 火を放ち即座ニもへ上り申候、大筒小筒鉄炮

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