『天酉記』2

Я［大塩の乱資料館］Я
2010.10.2

『天酉記　大塩平八郎義挙録』
　その２

史　料釈　文　註　

東御奉行組天満住居之与力にて、大塩平八郎ト云人有、当時隠居にて剃髪し儒道を行なわれ候、元より博学多才の噂あれハ、諸方学生集り、其門に入者あまたなり、尤勤役中、下々を憐之深く、公事訴状少しも依怙之沙汰なく、賄賂なとハ決而不受、理非明白に取捌かれ、至て厳重なり、偖有難帰伏いたし候、此度之飢饉にて、難渋人きを救わん為、今一度出勤して諸国より俵米入舟いたし候よふ取計可致、再勤取請叶可被下候及言上候へ共、無許は大塩申候者、御上より折々施行出結構にハ候へ共、日々之事故、弐升三升之米を貰
＊＊＊＊

ひ候ても、迚も行届不申事ゆへ、大坂市中有徳之町人共之身上に応し、出金いたさせ、を開、金を出し、融通金として米穀直段を極め、下直に売渡し候ハゝ、諸人大に助り可申、若又江戸表より御沙汰有之、御咎メ参り候ハゝ、以後申訳いたし候間、再勤之趣被申候所、奉行共申候者、万一今年不作ニて、又候来年も出金いたせと有徳たり共難申、先当年之作を見候上と被申候故、大塩之申ニハ、来年ハ来年之事、差当り難儀を救ひ遣し度と被申候へ共、何ら奉行無許はト人々申候へ共、委敷
　

史　料	釈　文	註
	東御奉行組天満住居之与力にて、大塩平八郎ト云人有、当時隠居にて剃髪し儒道を行なわれ候、元より博学多才の噂あれハ、諸方学生集り、其門に入者あまたなり、尤勤役中、下々を憐之深く、公事訴状少しも依怙之沙汰なく、賄賂なとハ決而不受、理非明白に取捌かれ、至て厳重なり、偖有難帰伏いたし候、此度之飢饉にて、難渋人きを救わん為、今一度出勤して諸国より俵米入舟いたし候よふ取計可致、再勤取請叶可被下候及言上候へ共、無許は大塩申候者、御上より折々施行出結構にハ候へ共、日々之事故、弐升三升之米を貰	＊＊＊＊
	ひ候ても、迚も行届不申事ゆへ、大坂市中有徳之町人共之身上に応し、出金いたさせ、を開、金を出し、融通金として米穀直段を極め、下直に売渡し候ハゝ、諸人大に助り可申、若又江戸表より御沙汰有之、御咎メ参り候ハゝ、以後申訳いたし候間、再勤之趣被申候所、奉行共申候者、万一今年不作ニて、又候来年も出金いたせと有徳たり共難申、先当年之作を見候上と被申候故、大塩之申ニハ、来年ハ来年之事、差当り難儀を救ひ遣し度と被申候へ共、何ら奉行無許はト人々申候へ共、委敷

『天酉記』目次/その１/その３

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『天酉記 大塩平八郎義挙録』 その２

『天酉記　大塩平八郎義挙録』
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