『天酉記』3

Я［大塩の乱資料館］Я
2010.10.3

『天酉記　大塩平八郎義挙録』
　その３

史　料釈　文　註　

事を誰有て替べきよふハなく候、扨また御奉行跡部山城守殿、来ル十九日、天満より北辺、順見之触流之有、此道ニ而、大塩は奉行を討取り、跡にて深き所存有事とは存候へば、是又極意之程を諸人しるへき事にあらす、今度之企、中々一朝一夕の事てなきはす、以来より大坂は家財并書物類不残売払ひ、凡四五拾目と申候、こと／＼く施行致され候由、刻十三日河内の国守口辺之百姓、老若男女子ともに至るまて、金壱朱ツゝ施し、来ル十九日朝六ツ時に、十五才以上六拾才以下之者、私宅へ参るへし、金百疋ツゝ

大「坂」は大「塩」のことか

遣し候と申置かへられ候よし、扨又大塩に合体之与力、小泉・平山之弐人反心となり、奉行へ大塩之計略を訴候ゆへ、明十九日之順見止になり候趣を、大塩方へ内通せし者有、依之十八日夜、同人奉行所へ忍ひ入、奉行殺しに参り候所、泊り番之与力同心防戦ひ、双方共手疵負候へ共、忍之もの捕候へす、塀を飛越し迯たりし、小泉は瀬田に切られ相果候、平山は家財取集め出奔候て行衛しれすなり候由、早速捕方向ひなは、如此大火とも成間敷に、扨々歎ケは敷事なり、人々

反心は平山・吉見ら。泊番の小泉・瀬田のうち小泉は奉行所の者に切られ、瀬田は、逃げだした。密訴した平山は、江戸の矢部駿河守のもとへ。『塩逆述』巻五「大沢氏記事」
　

史　料	釈　文	註
	事を誰有て替べきよふハなく候、扨また御奉行跡部山城守殿、来ル十九日、天満より北辺、順見之触流之有、此道ニ而、大塩は奉行を討取り、跡にて深き所存有事とは存候へば、是又極意之程を諸人しるへき事にあらす、今度之企、中々一朝一夕の事てなきはす、以来より大坂は家財并書物類不残売払ひ、凡四五拾目と申候、こと／＼く施行致され候由、刻十三日河内の国守口辺之百姓、老若男女子ともに至るまて、金壱朱ツゝ施し、来ル十九日朝六ツ時に、十五才以上六拾才以下之者、私宅へ参るへし、金百疋ツゝ	大「坂」は大「塩」のことか
	遣し候と申置かへられ候よし、扨又大塩に合体之与力、小泉・平山之弐人反心となり、奉行へ大塩之計略を訴候ゆへ、明十九日之順見止になり候趣を、大塩方へ内通せし者有、依之十八日夜、同人奉行所へ忍ひ入、奉行殺しに参り候所、泊り番之与力同心防戦ひ、双方共手疵負候へ共、忍之もの捕候へす、塀を飛越し迯たりし、小泉は瀬田に切られ相果候、平山は家財取集め出奔候て行衛しれすなり候由、早速捕方向ひなは、如此大火とも成間敷に、扨々歎ケは敷事なり、人々	反心は平山・吉見ら。泊番の小泉・瀬田のうち小泉は奉行所の者に切られ、瀬田は、逃げだした。密訴した平山は、江戸の矢部駿河守のもとへ。『塩逆述』巻五「大沢氏記事」

『天酉記』目次/その２/その４

古文書館玄関へ

『天酉記 大塩平八郎義挙録』 その３

『天酉記　大塩平八郎義挙録』
　その３