『浪華姦賊罪案』　その５９

史　料	釈　文	註
	与御待も被下候儀与奉存候得共、猶更帰国難忘事 未練之者与思召、恥入候仕合に御座候、かゝる時節ニ参合せ 候者私武運ニ尽候儀与被存候、具ニ申上度候得とも、 何れ即日様子御地江相知可申候間、不申候、大阪騒動 与御承知被下候ハゝ、敬次相果候儀者被思召可被下候、 最早時刻ニ可相成心急キ荒増申上候、余者御察し 奉願上候、以上、 　　 　　二月廿八日　　　　　　　宇津木敬次 　　尚々友蔵義、永々旅中厚世話致し呉、其上昨年 　　私不快之節抔、別而厚介抱致、未一礼も不致、相別申候、宜敷御伝、 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　可被下候、	二月十八日
	敬次当年廿九才、彦根藩家老宇津木下総二男、武者修行ニ出立、 　　平八郎方国元江の書状等者友蔵江為持差立候処、 　　大津御代官石原清左衛門支配向ニ而召捕、大坂奉行所江引渡ニ 　　相成、右書状差出ス、 右敬次小者友蔵二月廿一日、大坂町奉行所に出頭して、御吟味之 節、庄司儀左衛門呼出し、敬次之様子相尋候処、左之通り、 　　同月一八日夜、平八郎父子其外一味之者列座候、敬次罷出、 　　種々異見致候得共、聞入無之、敬次便用ニ立候頃ニ而、平八郎 　　申候者、敬次儀者最早生して帰しかたし、誰そ討留可申与 　　申候得者、大井正一郎承り、刀を携、立出候而、　　平八郎声を

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