『浪華姦賊罪案』　その６０

史　料	釈　文	註
	かけ、太刀打者無覚束、鎗ニ而突留よと申候得ハ、心得候と高 鎗引提罷越、敬次手あらひ居候所江立寄、正一郎大音ニ 宇津木氏一命先生ニ給れと、突ニかゝれハ、敬次聞て とつかりと座し、両肌をぬき、腹突出し、御及候と 申間もなく胸板突通申候旨、儀左衛門申述候、 　　　大坂七月七日出之書状写 一両日前摂津能勢近辺浪人五六人、頭取罷在 徒党之人数相増、其辺金持百姓之家江鉄炮鎗等ニ而打入乱妨、追々 金銀等残差出、一味可仕候趣申かたらひ、無是非味方致し 候者も在之追々南へ参り、池田、伊丹辺迄も押来り可申哉ニ
	風聞有之騒動仕候由承り申候、右ニ付、当表江御注進 在之御奉行所様同心衆五六人御加勢御越被成候得る共 鎮り不申由候、追々御役掛其他　御城掛も御加勢御 爰駕之由承り申候、徒党之者、初三四十人計之処、追々一味ニ 加リ是迄ニ而者三四百人斗も相成、金銀【米兵】粮の其免取 北山江取入、達籠候様子も相聞候、併当表追々御捕方 御駈付候而漸々右体相鎮り候趣、徒党之内両三人召捕 れ、其内壱人者当地西横堀京町ニ住居致し候今井 と申候算術指南致候者、今壱人者西堀横町斎藤町 山田氏与歟申医者之由、家内不残被召捕候趣承り、

『浪華姦賊罪案』目次/その５９/その６１

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