Я［大塩の乱資料館］Я
2015.8.10

『懲畏秘録』
　その２６

史　料釈　文　註　

52
　右ハ大坂阿波座堀一筋北に油掛町といへるあり、則阿波座　堀甕屋橋筋一筋西へ入ル町南側ニ美吉屋五郎兵衛と　云る者、大塩内縁の者ニて、去十九日よりかくまい置し所に、　事露顕ニ及び、三月廿六日之夜、宵より捕手向ひ、右家宅　を囲みしかども、手だす者なく、徒に猶予する処に平八郎父　子、是をさとり、迚ものがれ出る事ならさるを察し、廿七日　朝五ツ時頃、右家に火をつけ、自害し、火中へ飛入、相果候、畢　消火人早速火を鎮め、焼け焦れたる死骸を取出し、両死　骸とも駕にのせ、五郎兵衛をも召捕、御番所へ御引取、廿七日昼八ツ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　頃御引取　　　捕手人　西与力　　内山彦治郎　　　　　　　盗賊方　　右美吉屋五郎兵衛ハ、大塩へ古き出入りのよしニて、先達て今度一挙

　　　

53
　　之旗幟等染込し由ニて、御不審を蒙り、一旦御召捕ル、吟味之上、　　右町内御預ケに相成居る由、此五郎兵衛ハ染晒屋渡世商売之　　由、又或説らは旗幟等之御疑ハなけれども、大塩内縁之者ゆへ　　一旦御召捕、御吟味之上御預之由　　　　右五郎兵衛母ハ大塩之叔母とも云、乳母なりとも云、尤同日　　　　五郎兵衛家内不残、小児又ハ下女に至るまで、一統御召捕の由一　同月廿九日、御地頭御触、左ニ　　　　　　口　達　去月十九日、市中及放火乱妨候大塩平八郎并同人忰格之助儀、　油掛町美吉屋五郎兵衛方ニ忍候風聞有之、召捕之ため組之者　差向候処、両人とも自殺いたし相果候、其外徒党之者ども追々

　

史　料	釈　文	註
52	右ハ大坂阿波座堀一筋北に油掛町といへるあり、則阿波座　堀甕屋橋筋一筋西へ入ル町南側ニ美吉屋五郎兵衛と　云る者、大塩内縁の者ニて、去十九日よりかくまい置し所に、　事露顕ニ及び、三月廿六日之夜、宵より捕手向ひ、右家宅　を囲みしかども、手だす者なく、徒に猶予する処に平八郎父　子、是をさとり、迚ものがれ出る事ならさるを察し、廿七日　朝五ツ時頃、右家に火をつけ、自害し、火中へ飛入、相果候、畢　消火人早速火を鎮め、焼け焦れたる死骸を取出し、両死　骸とも駕にのせ、五郎兵衛をも召捕、御番所へ御引取、廿七日昼八ツ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　頃御引取　　　捕手人　西与力　　内山彦治郎　　　　　　　盗賊方　　右美吉屋五郎兵衛ハ、大塩へ古き出入りのよしニて、先達て今度一挙
53	之旗幟等染込し由ニて、御不審を蒙り、一旦御召捕ル、吟味之上、　　右町内御預ケに相成居る由、此五郎兵衛ハ染晒屋渡世商売之　　由、又或説らは旗幟等之御疑ハなけれども、大塩内縁之者ゆへ　　一旦御召捕、御吟味之上御預之由　　　　右五郎兵衛母ハ大塩之叔母とも云、乳母なりとも云、尤同日　　　　五郎兵衛家内不残、小児又ハ下女に至るまで、一統御召捕の由一　同月廿九日、御地頭御触、左ニ　　　　　　口　達　去月十九日、市中及放火乱妨候大塩平八郎并同人忰格之助儀、　油掛町美吉屋五郎兵衛方ニ忍候風聞有之、召捕之ため組之者　差向候処、両人とも自殺いたし相果候、其外徒党之者ども追々

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『懲畏秘録』 その２６

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