『懲畏秘録』

　その５

史　料	釈　文	註
10	御用人　　　山下市右衛門様 　　　　　　　　　　　御目附　　　本山村右衛門様 　　　　　　　　　　　御旗組　御物頭并御組 　　　　　　　　　　　御弓組 　　　　　　　　　　　御鉄炮組　御使番　長柄組 　　　　　　　　　　　御作事奉行　其外御役筋 　　　　　　　　　　　　　　　　　御中間等 　　　　右十九日八ツ半時比、御発向有之、大坂着後、大手口御固、 　　　　　　但兼て本道神嵜通御手宛之処、剋限遅く相成 　　　　　　　候故歟、辰巳通御越 一　大塩平八郎ハ右のごとく人数召連、車三挺ニ大筒をのせ、白釼 　　鑓刀鉄炮をかまへ、難波ばしをはせ過る所、南の方より渡	『大塩の乱関係 資料を読む会会報 第１５号』 「尼崎藩の出兵」 『塩逆述』 巻之二 その１２−１
11	辺穢多村の者ども、火消として人足大勢来ル所、平八郎 　　手を上け、さしまねき、先にすゝむ穢多の者目がけ、鉄炮 　　を放ちしにや、砲丸の音一声ひゞくと、ひとしく先にすゝみし 　　穢多のもの、忽ち口鼻より鮮血夥しく吐き、真逆様ニ倒るゝ 　　やいな、其儘外の穢多大勢の者どもハ、もときし南へ迯散 　　たり、大塩方ハ唯今殺せし穢多の死骸を水中へ投こみ、南へ 　　駈ぬけ、今橋筋ニて鴻池善右衛門の門先へ馬はせ寄、詞を 　　かけ、家内の人をよけさせ、大筒三挺家の内へ打込、平八郎 　　其所を駈抜たり、直様火燃上り、家宅土蔵も不残焼滅す、 　　其近隣へ火移り、又所々ニて大賈と見かけば大筒放ち、 　　焼立、高麗ばし筋を東へおし通り、三井岩城の呉服店へ 　　討込、或ハ南、或ハ東と、所々へ大筒手分して、町中を焼立る事	大賈 (たいこ) 大商人

『懲畏秘録』凡例・目次/その４/その６

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